漢方豆知識

第107話　『目のギラギラと頭痛』

　突然、目の端にギラギラと弧を描いた光のようなものが見えて、視界が遮られる症状が現れる閃輝暗点(せんきあんてん)。通常、しばらくすると視界は元に戻りますが、つらい頭痛を伴うことも多いと言われています。
　閃輝暗点は目で感じる症状ですが、原因は脳の血管が収縮して血流が滞るためと考えられています。
　眼科や脳神経外科の検査をした上で漢方薬を試してみても良いと思います。
　中医学では、同じ頭痛でもストレスが関わっている場合は肝陽（肝鬱）頭痛、血行不良は瘀血頭痛、血流不足は血虚頭痛、加齢に伴う腎虚頭痛、胸苦しく重だるい痰濁頭痛と考えて、原因に合わせて処方を選ぶことで、閃輝暗点と頭痛を起こさないように体質を改善してゆきます。
　加味逍遙散、抑肝散、柴胡疎肝湯、血府逐瘀湯、冠元顆粒、七物降下湯、半夏白朮天麻湯、川芎茶調散、清上蠲痛湯、洗肝明目湯、滋腎明目湯など効果的な漢方薬の種類は豊富です。専門家にご相談の上、合ったものをお選びになるとよいでしょう。


令和5年8月4日　足立よみうり掲載