漢方豆知識

第19話　『イボ痔』

　イボ痔は、肛門の中や周りにできる静脈瘤です。血液がドロドロして流れが悪くなり、血管の一部が風船のように伸びて膨らんだ状態です。
　肛門の周りにプックリとできたイボ痔は外痔核。肛門周辺は強い皮膚なので、出血しにくい代わりに、ひどくなると痛みを伴うようになります。
　肛門から3センチ程奥にできるのは内痔核。痛みは感じない代わりに、弱い粘膜が破れやすく、排便時に出血することがあります。内痔核が大きくなってくると、知覚神経の通ったところにイボが触り、いつまでも便が残ってるような、ウソの残便感を起こしやすくなります。
　どちらにしても、イボ痔はドロドロ血液が関係します。この血液が、循環の過程で肝臓や心臓にも達するので、お尻の問題だけではなく、他の臓器にも非常に負担がかかってくることが想像できます。
　痔や排便の様子、痛みや出血の有無、その他の全身症状によって、冠元顆粒、田七人参、芍薬甘草湯、乙字湯、当帰健中湯、桂枝茯苓丸など様々な漢方薬から効果的なものを選んで服用するのが効果的です。


足立よみうり新聞　2016年03月18日号掲載

「イボ痔」足立よみうり新聞　2016年03月18日号掲載