漢方漫歩INDEXへ 肝と胃腸調和させる「開気丸」
人々の生活水準の向上とともに、病気の原因も大きく様変わりしてきた。昔は、栄養失調や不衛生が一番の原因であったが、現代ではまずストレスがあげられる。
中医学では、気というエネルギーが体内を流れ、これによって各臓器がスムーズに機能し、新陳代謝が行われると考えている。気を流し、臓器の機能をスムーズにする働きを“疏泄作用”と呼び、五臓六腑の中でも肝の役割と考えている。ストレスがたまると、この肝の疏泄作用が悪くなり、気が滞り(気滞という)、他の臓器にも異常が及ぶことがある。
なかでも胃腸に影響を与えることが多い。消化酵素や胆汁の分泌、胃腸の蠕動(ぜんどう)運動は肝の疏泄作用によって調整されている。疏泄が悪くなると、胃炎や胃・十二指腸潰瘍などが生じやすくなる。下痢や便秘がなかなか治らず、食欲不振・胃のもたれ・腹の脹り・腹痛・吐き気などを伴うケースもある。下痢や便秘の薬を使っても、なかなかよくならない胃腸病には、このような背景があることが多い。
このような病気は、複雑な人間関係などに悩む大人だけではなく、最近は子供にも多く、最近は子供にも多く見られ、受験勉強が本番を迎える秋以降は、受験生を抱える親からの相談も増える。
対策としては、肝の働きを立て直すことで、胃腸障害の改善をはかることが重要だ。
中国には、肝と胃腸の働きを調和させる「調肝理気」という治療法法があって、その代表的な薬の「開気丸(かいきがん)」が日本でも入手できる。
路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1993/09/05