漢方漫歩INDEXへ 「舒筋丸」が神経痛の痛みを除く
1つ1つの細胞が生き生きと活動するためには、新鮮な血液が身体のすみずみにまで循環していなければならない。この血液が汚れたり、流れにくくなった状態を中国漢方では「お血」と呼んで、さまざまな病気の元凶になるものとして警戒している。お血によって引き起こされる症状の第一に、痛みがある。長く続く痛みや慢性病には、ほどんどの場合お血(血の滞り)がみられる。湿気や冷えなどの邪気が身体に侵入すると、局所の血行に悪い影響を与え、そこに老廃物質がたまって発痛物質(痛みを引き起こす物質)となり、神経を刺激して痛みとなる。古人は「不通則痛(痛ぜざればすなわち痛む)」と説明している。
神経痛やリウマチに悩む人にとって、冷えの強まるこれからはつらい季節だ。こうした痛みに対して、中国漢方には「舒筋丸」という処方がある。この中に含まれる当帰・川弓・紅花などが関節各所や全身の血の流れをよくすることで、発痛物質を取り除いてくれる。
中年以降の神経痛やリウマチによる痛みや慢性化した痛みには、腎の衰え(腎虚)が関係していることも多い。中国漢方でいう腎の働きには、生殖や水分の調整・排泄作用と同時に、カルシウム代謝も含まれている。腎が衰えると、骨が折れやすい、足腰が痛むといった骨の異常が出やすい。舒筋丸には補腎強壮作用にすぐれ、骨の強壮剤とされている虎骨や鹿茸などの動物性生薬も配合されている。
路京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1993/09/26