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中国でも欧米並みの成人病

 この夏、4年ぶりに北京へ帰った。街にあふれるタクシー、林立する高層ビル群、物価の高騰など、経済改革の真っただなかにある中国の変貌ぶりには驚くことばかり。私の心境をひとことで言うなら、日本でいう浦島太郎といったところか。
 以前とは比べものにならないほどモノが豊かになった新・新中国を、中医師の立場から見ると、経済同様、健康事情も日本や欧米の状況に近づきつつあるように映る。
 たとえば、抗老防衰(老化防止)に対する考え方である。以前は足りないものを補う治療法が主で、老化予防は補腎法(生殖・ホルモン系機能の強化)を中心に考えてきた。いわゆる不老長寿薬をいわれる六味丸(ろくみがん)や八味丸(はちみがん)、海馬補腎丸(かいばほじんがん)などの補腎薬による治療である。
 ところが近年は、そこに栄養過多やストレスなどの新しい要素が加わってきた。なかでも警戒されているのが、ストレスや過労、脂っこいものの取り過ぎなどによって引き起こされる血液の汚れや停滞である。この状態を中国漢方ではお血と呼んでいる。 お血によって引き起こされる疾患といえば、高脂血症、動脈硬化、高血圧症、狭心症、脳梗塞などの成人病がその代表格だ。現に中国でも、これらの循環器疾患は増加の傾向にある。
 お血に対して中国漢方には、血液をサラサラにする活血化お法という治療法が確立されており、今後は補腎法とともに抗老防衰対策の大きな柱となりそうである。
路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1993/10/03



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