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一般薬へ日本人の応用巧み

 この夏帰国した際、かつて私も学んだことがある、北京の中国中医研究院西苑医院をたずねてみた。
ここでは中西医結合という、伝統医学と現代医学を融合させて、新しい医学を生み出す研究が行われている。お血(血液の滞り)を取り除く活血化お法は、同病院の最も重要
な研究テーマの一つ。狭心症や虚血性心疾患の特効薬をして開発された冠心U号方(かんしんにごうほう)は、現代の名処方としてあまりにも有名である。
活血化お法への取り組みは、その後さらに研究が進み、脳血管障害、糖尿病、慢性肝炎、ガン・腫瘍、老人性痴呆症にまで応用範囲は広がっている。
冠心U号方にもさまざまな改良が加えられ、数多くの新しい処方が生まれている。近年、日本にもこの冠心U号方の改良型である冠元顆粒が輸入され、頭痛や肩こり、高血圧の随伴症状を改善する一般薬として使われているようだ。頭痛や肩こりは、動脈硬化や狭心症、脳梗塞などの予兆となるお血の一症状でもあり、このような一種、予防薬的な使い方は、なるほど理にかなっている。外国の発明をいち早く取り入れ、一般に応用する日本人の才能には、今さらながら舌を巻く。
古典的な処方を守ることも大切だが、環境や体質の変化に応じて、新しい処方を取り入れていく努力も必要である。漢方といえども、時代とともに発展していかねばならない。
路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1993/10/10



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