漢方漫歩INDEXへ space

ゼンソクを根治「双料参茸丸」

 秋の終わりから春先までの時期は、アレルギー性ゼンソクの発作に悩む人からの相談が多くなる。症状をおさえるため、日本では小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が知られており、私もよく使う。ただし、治療にあたっては、その人の体質にも目を向けなければならない。
 中国漢方では、腎の働きのひとつに、「命門の火」という体全体を温めるボイラーのようなものを想定している。
 腎の働きが悪くなると、この火も弱くなり、陽気の不足から体全体の機能が落ちてくる。症状は、体質的に弱い部分にまず現れる。呼吸器系の弱い人は、寒さに対して肺の防衛力が低下し、ゼンソクなど呼吸器系の病気を誘発しやすい。
 治療法としては、肺を温めて気管支拡張作用のある薬を使うことで症状をおさえるとともに、腎の陽を補うことで腎陽虚の体質を根本的に改善することである。
 根本療法としては、体を温める作用をもった強壮剤の双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)が効果を上げる。双料参茸丸の中には、人参や鹿茸(ろくじょう)などの代表的な補腎薬のほかに、中国陸上陣の活力源として話題の冬虫夏草(とうちゅうかそう)も含まれている。
 冬虫夏草はキノコの一種で、肺と腎を強める滋養強壮薬として、漢方では古くから使われてきた。現代医学的な研究でも、感染防御作用・気管支拡張・免疫力強化・副腎皮質ホルモン様効果など幅広い作用が確認されている。

路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1993/10/31



ご質問・ご相談など、お気軽にメール下さい。