漢方漫歩INDEXへ 参茸補血丸は“飲むカイロ”
これからの季節、手足が冷えて眠れないという人が増えてくる。ベッドのなかで靴下が離せないという人もいる。ひどい場合には、しもやけなどの症状が出てくる。冬場はワンサイズ大きい靴しか履けないという、重度のしもやけで相談にみえる人も少なくない。
日本にやってきた当時、真冬でも短いスカートで街を歩く女性を見て驚いた。日本の女性は何と元気なのだろうと感心してものだが、よく話を聞いてみると大半の女性が、程度の差はあるものの冷え性体質だとわかって、またまたビックリ。オシャレのために、かなり無理をしているようだ。
中国漢方の冷え性・しもやけ対策は、血液循環をよくするほか、全身の陽気(エネルギー)を高め、血液の量を増やすことを主に考えている。ふだんから貧血気味の人の血液を増やし、血行を促進する漢方薬としては、当帰を主薬にした婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)がよく使われる。さらに陽気不足が顕著な人には、参茸補血丸(さんじょうほけつがん)がよい。
参茸補血丸には、腎の働きを補い体力増強に効果のある鹿茸(鹿の幼角)や今話題の杜仲(とちゅう)、血の不足を補う当帰(とうき)や竜眼肉(りゅうがんにく)、気の不足を補う人参や黄耆(おうぎ)などが配合されている。
気血を補い、全身の機能を高めることで体を芯から温めてくれる、まさに“飲むカイロ”と呼びたい薬だ。これに、血行をよくする冠元顆粒(かんげんかりゅう)を併用すればさらに効果が上がる。
路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1993/11/14