漢方漫歩INDEXへ 心臓病や高血圧 効果ある「丹参」
心臓病や高血圧の悩みを抱える人にとって、冬の寒さは大敵である。血管の収縮に加えて、冷えは血液そのものを固まりやすくし、血栓を形成しやすい。
血栓が脳血管に行けば脳梗塞、心臓に行けば心筋梗塞の引き金となることはご存知の通り。新聞の死亡欄も、この時期は脳梗塞、狭心症といった、循環器疾患による記事が多くなる。
中国漢方の立場からいうと、これらの病気はお血(血行不良)との関係が深い。体内にお血があるかどうかは、頭痛・肩こり・動悸・目の下のクマ・舌の裏側の血管の暗紫色の腫れ・・・・といった、お血特有の症状をチェックしてみれば分かる。
これらお血の症状のある人は、血栓ができやすく、脳梗塞や心筋梗塞といった病気にもなりやすいので注意を要する。
お血症状を改善する活血化お(血行改善)薬のなかで、中国において最も繁用されている生薬の一つに丹参がある。
丹参はシソやサルビアと同じ紫蘇科の植物で、作用が穏やかなうえに、養血(血液の質を良くする)作用もあるところから、古来珍重されてきた。ところがどういうわけか、日本ではあまり使われていない。
薬理学的には、血流量を増加し、血液の粘度を下げ、脳動脈や冠状動脈を拡張させる作用があることから、特に脳血管障害や心臓病、高血圧症の治療に用いられる。丹参を配合した漢方薬としては、日本では冠元顆粒や天王補心丹が入手できる。
路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/1/23