漢方漫歩INDEXへ 老化防ぎガンを予防、首烏延寿片
二月一〇日は春節、中国の正月である。中国では玄関先に、無病息災や不老長寿の願いをこめた赤い紙を貼って、新年を祝う。いつまでも健康で若くありたいとの想いは、古今東西、昔も今も変わりがない。
不老長寿の薬といえば、中国は類をみない宝庫といえる。中国で幅広く使われているものの一つに首烏延寿片がある。
主原料の何首烏(ツルドクダミの塊状根)(かしゅう)は、白髪や脱毛の悩みをもつ人に効果のある生薬として有名。昔、何(か)さんという人の白髪頭(首)が、烏のように黒くなったという伝説から、この名がついた。ほかにも、コレステロールを抑制し動脈硬化を予防する作用、心臓の機能を強め冠状動脈の血流量を増やす作用など、成人病を予防し、老化を食い止めるさまざまな効果が報告されている。
さらに先日、福岡県保健環境研究所のスタッフが、何首烏に発ガン抑制効果を確認したとの新聞報道もあった。明の時代の著書『本草網目(ほんぞうこうもく)』には、既に「何首烏は腫瘍やルイレキ(リンパ腫など)に効果がある」との記載があり、はからずも古人の経験則の確かさが証明されたことになる。
首烏延寿片は、肝と腎を養い、増血作用のある薬で、手軽な価格で購入できる滋養強壮剤として、中国で幅広く愛用されている。日本では、お年寄りや体力の弱い人向けの便秘薬として使われているようだが、抗老防衰(こうろうぼうすい)からガン予防にまで、その利用価値は高い。
路京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/02/06