漢方漫歩INDEXへ 寒冷ジンマシン腎、衛気強め治す
この冬は、ことのほか寒い。そのせいか、例年に比べて、寒冷ジンマシンの相談が多い。
ジンマシンの原因は、食べ物や薬品、家ダニ、太陽光、ストレスなど、さまざまだ。そのなかで、寒冷の刺激によって起こるのが寒冷ジンマシンである。夕方や明け方に発症しやすく、症状としては耳や顔、手首に発疹ができて、かゆみを訴える。特に中年女性に目立つ。
原因をつきとめ、その外因となるものを避けるのが、ジンマシン予防の基本。ただし、これだけでは少し消極的である。漢方療法では、外因よりも内因を重視して、体質そのものを改善する治療法に重点をおいている。
一つは、汗腺の開閉などによって、体温の調節や外界に対する防衛機能をつかさどる、衛気(えき)の不足である。衛気が弱くなると、気温の変化への対応力
が落ちる。当然ながら、寒さに対する抵抗力も低下し、カゼをひきやすい。
寒冷ジンマシンの症状を抑える対症療法としては、皮膚温を高める作用のある桂枝湯に衛気を強める黄耆(おうぎ)や附子(ぶし)を加えた、桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)や桂枝加附子湯(けいしかぶしとう)が効果をあげる。
また、寒冷ジンマシンのできやすい人は、その根本に腎の陽気(熱エネルギー、ホルモンの分泌)不足があり、腎の強化が欠かせない。根本療法としては、腎の陽気を補い、滋養強壮作用に優れた人参・黄耆・鹿茸(ろくじょう)を配合した参茸補血丸(さんじょうほけつがん)などで、身体の表裏ともに充実をはかりたい。
路京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/02/20