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「天津感冒片」併用で咳を止める

 流感の後期で、咳だけが残る場合がある。咳とともに、咳がネバネバして切れにくい、胸苦しいなどの症状を伴うことが多い。
 ウイルス性のカゼは熱に変わりやすく、その熱が肺に鬱積すると、炎症や疾の発生により咳を引き起こすのである。
 漢方薬としては、気管支を拡張し、ケイレンを抑えて咳を鎮める麻黄(まおう)、気管支の炎症を抑える石膏、痰を取り除く杏仁などの生薬に、去痰・鎮咳作用を強化する陳皮・桔梗などを加えた麻杏止咳錠を用いることが多い。
 しかし、時として単純に咳止め薬を使っても、効果が現れないことがある。
 中国漢方では咳を、気管支や肺胞など局部のトラブルとして見るだけでなく、呼吸に関係する筋肉や皮膚呼吸も関与していると考えている。
 そして、これら一連の呼吸活動を調節しているのが、肺の宣発(せんぱつ)(発汗・発散)・粛降(しゅくこう)(気を取り込み、下に降ろす)という作用である。この宣発・粛降作用に、最も影響を与えやすいのがカゼである。
 カゼが抜けきらず、鼻づまり・鼻水・寒気(悪寒)などの症状が少しでも残っているような時は、カゼが肺の働きに影響を与えて、咳がなかなか止まらない。
 このような場合、麻杏止咳錠のような咳止め薬に、肺の機能を回復させてカゼを取り除く天津感冒片などを併用すると、スッキリ咳が止まる。
路京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/02/27



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