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生薬加工法活用して治療に幅

 日本の国技・相撲は、力士だけでなく、行司や呼び出し、床山など、さまざまな裏方によって支えられ、一つの社会を形づくっているという。
 漢方も、いわは中国の国技のようなものである。この社会も老中医(経験を積んだ漢方の外医)を中心に、中医師、薬剤師、生薬の加工や栽培、鑑別を専門とする人など、数多くの人たちはよって支えられている。今回はその中から、生薬の加工(炮製)の問題をとり上げてみる。
 日本では一股的に、生薬を生の状態で使う。中国では、炒めたり、酒で蒸したり、酢につけるなど、加工して使うことが多い。それによって薬効を高めたり、毒性を除去したり、効能を変化させたりすることができるからだ。
 たとえば地黄は、生のまま使う生地黄と、酒で蒸した熱地黄がある。生地黄には、体のほてりや精神的なイライラを鎮める情熱涼血の効果があり、加工した熱地黄になると、貧血症状を改善する補血効果が強く出てくることが分かっている。
 生地黄は不眠・動悸・息切れなどに効く天王補心丹に、熱地黄は婦人柄の聖薬といわれる四物湯や婦宝帰膠などに配合され、それぞれの特徴を発揮している。
 日本の漢方では、生薬の加工をあまり重視していないようだが、この手法をもっと活用すれば、漢方治療に幅が出てくると思うがどうだろうか。
路京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/03/13



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