漢方漫歩INDEXへ space

出血抑制や増血 気を補う帰脾湯

 人が健康を維持していくためには、「気」と「血」の調和が欠かせない。今回は気の働きを、血との関係で見ていこう。
 気には、血液の働きをコントロールして、血管外に漏れ出ないようにする働きがある。この働きを、漢方では気の攝血作用と呼んでいる。
 血管壁がもろくなったり、弛緩したりして起こる内出血、血小板の減少による皮下出血、月経過多、生理不順、歯ぐきからの出血、下血、血尿などの慢性出血性疾患−これらの多くは、気の不足から来る、攝血機能の失調と考えている。
 また、気は脾(消化器系)の働きを通じて血液の生成にも関与している。そのため、気が不足すると、血も不足する。日本ではこのところ、ダイエットに取り組んでいる若い女性の生理不順が問題になっているが、気の不足(気虚)が根底にある場合が多い。治療には、補血薬だけでなく、気を補う薬を配合することにより、増血機能を活発にするという方法が用いられる。
 逆に慢性の出血は、気も損ないやすい。気の消耗は、増血機能や攝血機能を低下させて、貧血と出血をさらに助長するといった悪循環に陥りやすい。
 このような場合、よく用いられるのが帰脾湯(錠)である。気の不足によって引き起こされる慢性出血や貧血、女性の生理出血過多、動悸、不眠などに効果がある。

路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/5/1



ご質問・ご相談など、お気軽にメール下さい。