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胃腸の不調、余計な水分除き機能高める

 梅雨時から夏場にかけての時期は、ビールなどの冷たい飲み物やナマ物などの取り過ぎによって、胃腸の不調を訴える人が多くなる。
 中国漢方では、胃腸で吸収され、汗や尿として排泄される体全体の水分代謝を脾(消化器系)・肺(呼吸器系)・腎(泌尿生殖器系)の関係でとらえている。今回のポイントは脾である。
 冷たいものの取り過ぎは、胃を冷やすため脾の機能低下を招く。このため水分代謝が妨げられ胃腸に過剰な水分がたまり、ひどい場合にはポチャポチャといった振水音が聞こえる。このような胃内停水の状態のほかにも、胃の不快感・吐き気(ひどい場合には粘液状のものを吐く)・お腹がゴロゴロする・下痢といった、さまざまな症状が出てくる。
 このように病理的な水分を、中国漢方では痰飲と呼んでいる。痰飲の痰はもともと薄い水のことを表す淡の字を語源とし、病理的な水分ということで、漢代に痰という字ができた。
 痰飲によってもたらされる、上記のような症状の改善には、苓桂朮甘湯や五苓散が有効である。いずれも消化機能を高め、利尿することにより余分な水分を取り除く白朮や茯苓のほかに、身体を温めて痰飲を解消する作用を持った桂枝が配合された処方だ。
 梅雨のころは湿度の影響もあって、発汗がスムーズにいかないぶん、たまった痰飲を取り除くことは難しい。胃腸の弱い人はこ時期、冷たい飲料水やナマ物は控えたほうが無難である。

路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/6/19



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