漢方漫歩INDEXへ ダイエットはあくまでバランスを重視
夏本番も間近。水着の季節を前に、若い女性たちにとっては、あらためて自分の体型が気になる時期である。
日本では数多くのダイエット法が試みられているが、極端なカロリー制限や利尿剤・下剤の服用などで、無理に痩せようというケースもある。強引なダイエットは長続きしないばかりか、体力や免疫力の低下といった、二次的な弊害を招きかねない。
中国漢方で考える減肥法は、あくまでバランスを重視する。決明子や山a子など脂肪分を減らす作用があるものを使う一方、発汗・利尿・通便・血行改善など、からだ全体の新陳代謝を促進することによりダイエットに結びつけようというものである。
日本人の肥満には、水太りタイプが多い。このタイプの人には身体の重だるさ・息切れ・多汗などの自覚症状が見られ、梅雨時には特につらい。
この場合は、皮膚組織の水分代謝を活発にする防已黄耆湯がよく用いられる。体表の気を補い、水分代謝を促進する黄耆と、利尿作用のある防已を主薬とした処方である。
胃腸の機能低下を伴う肥満には、消化機能を高める香砂六君子湯がよい。
食欲が出て、かえって太るのではと心配する人がいるかもしれないが、胃腸を整えることで新陳代謝を活発にし、余分な水湿を取り除くことができる。食べながら無理なく痩せるという漢方独特の考え方である。ただし、適度な運動と食事のコントロールが必要なことは言うまでもない。
路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/6/26