漢方漫歩INDEXへ 冷えからくる生理痛、血温めて改善
クーラーなどの冷えからくる生理痛に対して、一般的には鎮痛剤で対処することが多いようだ。しかし、痛み止めは、その場しのぎの治療であり、習慣性となる恐れもある。それが嫌だからと、痛みをじっと我慢している女性も少なくない。
冷えを特別の病気とは考えない西洋医学に対して、漢方医学ではこれを重要な症状の一つとして考え、いろいろな治療法が確立されている。生理痛を、体質的なものだとあきらめてはいけない。
中国漢方には、「血は温めることを喜び、寒を嫌う」という考え方がある。血液が体内をスムーズにめぐるためには、血液に一定の温度が必要である。生理中に、クーラーにあたったり、冷たい飲み物をとり過ぎるなどして身体を冷やすと、血液循環が悪くなり、お血(血の滞り)を生じる。「不通則痛(通じざれば、則ち痛む)」という中医の理論もあって、お血は痛みの原因となる。
冷えからくる生理痛は、黒っぽい月経、凝血(血の塊)、下腹部の冷え、月経周期の変調などを伴うことが多く、ひどい時には不妊症の原因となることもある。
生薬としてはセリ科の植物である当帰がよく使われる。当帰には、血を補い生理を整える作用、血行促進によって痛みを止める作用があり、されに現代の薬理研究では、子宮の緊張を緩和し痛みを鎮める作用があることもわかっている。漢方処方では、この当帰に芍薬・川きゅう・阿膠などを組み合わせた、温経湯や婦宝当帰膠が効果的だ。
路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1994/7/17