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「流感につかえ、副作用もない清熱解毒薬」

 昨日は立春。三寒四温といわれ、気候が目まぐるしく変わる春先は、体調を崩して、流感(インフルエンザ)や各種の感染症にもかかりやすい。今年は流感の大流行が伝えられ、保健所や医療機関では厳重警戒を呼びかけている。
 風邪に対して、一般的には解熱剤のほか、細菌感染を予防したり、抑えるため、抗生物質を併用することが多い。ただし、抗生物質は細菌による炎症や熱に対しては有効だが、流感のようなウイルス性のものには効果がない。
 漢方薬にも、解熱作用と抗菌作用を併せ持ち、抗生物質とよく似た作用をもつ生薬類があるが、西洋薬とはひと味違う。
 たとえば板藍根、金銀花、連翹など、いわゆる清熱解毒薬といわれる生薬には、抗菌作用のほか、抗ウイルス作用があるので流感にも使える。そのうえ、細菌やウイルスが放出した毒素を中和し免疫力を高める作用があり、さらに抗生物質のような副作用がないといったメリットもある。
 中国では板藍根(キツネノゴマ科・馬藍の根)のエキス剤がよく知られており、流感だけでなく、扁桃腺炎、流行性耳下腺炎(オタフク風邪)、帯状疱疹、ウイルス性肝炎などにも幅広く応用されている。このような便利な薬が、薬事法の関係で、日本へ輸入されないのは残念なことである。
 板藍根と同じような作用を持った、金銀花や連翹などが配合された漢方製剤に天津感冒片があり、これは日本でも入手できる。

路 京華(中国中医研究院広安門医院主治医師)讀賣新聞日曜版『漢方漫歩』1995/2/5



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