創業明治三十九年 仁生堂薬局 東京千住
2016-08-30

第19回 立川駅で薬草!

毎日、お暑うございます!
今月は、わが地元にして多摩地域の中核都市、聖地(笑)立川の駅周辺で、ナントカGOをプレイする皆様を横目に、薬草探しに励んでみました。

ここでご紹介した薬草は、いずれもJRの改札から3分以内に行ける植込みや緑化部分でみつけた薬草です。
北口の歩行者デッキには、各部に植込みがあります。サツキとかオカメヅタ(アイビー)などの定番の植木が大部分ながら、ハーブを植栽した一角があります。(余談ながらサツキは乾燥に弱いので、デッキの植込みには不向きだと思います)

ローズマリー!

この細い葉っぱは…ローズマリー(シソ科)ですね。和名ではマンネンロウといいます。…あんまりそう呼ぶ人いませんよね(笑
針葉樹を思わせるシャープな香りが持ち味。香気の組成も、α-ピネンなど、針葉樹と共通する精油成分をもっていますね。

料理やアロマテラピー、お部屋の芳香剤、あるいは今の季節には汗の匂い対策など、幅広く重宝し、栽培も容易。一家に一株ローズマリー。おすすめです。弊社のベランダにも、まもなく15年選手になるローズマリーがあります。
写真のものは、いま開花しておりませんが、主に冬から春(条件がよければ年中)、シソ科らしい唇形花を咲かせます。色は青紫、淡紫、ピンク、白など品種によっていろいろ。香りも、品種によって微妙に異なっています。

一緒に写っているのはアメジストセージですね。秋も深まってくると、フェルトのような感触の、紫色の花の穂をつけます。

ここは今月オープンしたばかりの南北自由通路。エキュートosoto(お外)と同時オープンしました。フェンスには、最近流行りの、潅水機能のついた壁面(垂直面)緑化がなされています。

壁面のセキショウ

その中に…おや、この細長い葉っぱは、セキショウ(サトイモ科/ショウブ科)ですね!葉っぱには独特の芳香があります。セキショウブ(石菖蒲)ともいいます。

自生では、山間部の渓流の石などに着生する多年草です。丈夫な草ですので、庭園の池や小流れなどの水辺に植えるとよく茂ります。今年の冬の散歩(目黒・自然教育園)でもご紹介しましたね…
スタイリッシュな葉姿と、常緑でいつも艶やかな緑色、持ち前の丈夫さで、緑化素材としても最近、多用されているようです。そういえば、新宿のNEWoMANの壁面緑化にも、セキショウが使われておりました。

フェンスのウラにも…

セキショウの根茎がセキショウコン(石菖根)で、芳香性健胃、鎮静などの用途に用いられ、日本薬局方外生薬規格に載っている生薬であることは、冬の散歩でもご紹介したとおりです。
この根茎、なかなかタフなようで…フェンスのウラ側にも進出し、葉を伸ばしていました(笑)

このセキショウ、それから端午の節供で使うショウブは、長らくサトイモ科に分類されてきたものの、一般的なサトイモ科とは異なる点も多く、まだDNAの解析などからも、独立のショウブ科を設ける見解が有力になってきています。


こちらは南口。歩行者デッキ下のバスロータリーの島に、何種類かの樹木が植栽されています。

駅前クヌギ

この細長い葉っぱ…クヌギ(ブナ科)ですね。
でっかい丸いドングリがとれて、カブトムシ・クワガタがたくさんやってくる、こどもたちの自然遊びでは一番人気の樹です。
里山や雑木林にはありふれた樹種ですが、駅前ロータリーに植えてあるのは少々珍しいケースかも。
もっとも、いわゆる雑木を配して自然の風景を再現した植栽が人気を得つつありますので、今後は増えてゆくかもしれませんね。

このクヌギをはじめコナラ、アベマキなど、ブナ科クヌギ属のいくつかの樹皮は、ボクソク(樸樕)と呼ばれ、漢方で用いる生薬となっています。
ボクソクは、化膿性の皮膚疾患などに処方される十味敗毒湯などに配剤されています。

駅のロータリー周りの植栽をちょっと眺めるだけでも、薬草たちとの出会いが楽しめます!というお話でした。
それではまた!

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